HOME > 知的財産権の流動化

一. 知的財産権の流動化

知的財産権とは、工業所有権(特許、商標権、意匠権、実用新案権)と種苗の育成者権や著作権などの権利の総称です。一般的な債権とは、異なりますが、財産的な価値を有している権利として捉える事が可能です。

知的財産権流動化を活用する事で、資金調達(ファイナンス)を行う事も十分に可能となります。ストラクチャードファイナンスとして、知的財産権を活用する事のメリットは大きいと考えられます。一般的なストラクチャードファイナンスにおいては、不動産等の価値を有するモノ(資産)を利用し、収益を分配します。

⇒ストラクチャードファイナンスの詳細は、コチラ

知的財産権を活用するストラクチャードファイナンスにおいて、知的財産権から生じる収益又は、知的財産権自体に着目して流動化(証券化)する事になります。

▼ 二. 知的財産権の特徴及び取扱い 
三. 知的財産権を活用したストラクチャードファイナンス 
▼ 四. 知的財産権ストラクチャードファイナンスの留意点
▼ 五. 当事務所の関与

二. 知的財産権の特徴及び取扱い

知的財産権については、法律で規定されないかぎり、権利(財産)として認められません。法律で保護される為には、登録する事によって権利として保護される事になります。
特許権については、特許原簿に登録されて初めて発生します。すなわち、特許原簿に登録されないかぎり特許権として認められません。更に、専用実施権についても、特許原簿に登録されて初めて効力が生じます。

発明とまで言えない考案について保護するのは、実用新案権、意匠権、商標権です。これらの知的財産権についても、特許権と同様に権利発生要件は登録です。実用新案権原簿、意匠原簿等に登録される事になります。

植物について新しい品種を開発した場合は、品種登録原簿に登録する事によって、育成者権が発生します。専用利用権についても、原簿に登録する事が、効力発生要件となっています。
著作権・著作隣接権については、登録する必要はありません。著作物として形に現れたモノについて保護するので、創作された時点で自動的に発生します(無方式主義)。著作権の場合は、一身専属的性質を有しているものがあります。

上記のように、知的財産権は、他の債権及び物権と異なり、登録等が効力発生要件となっています。不動産は、登記制度がありますが、あくまでも対効力(他人に主張する)を有する為に登記をするにすぎません。すなわち、登記する事が権利発生要件となっていません


三. 知的財産権を活用したストラクチャードファイナンス

知的財産権を利用するストラクチャードファイナンスのパターンとして、幾つかの形態があります。知的財産権自体について譲渡(信託)する方法、実施権について譲渡(信託)する手法です。

SPC(特別目的会社)には、株式会社、合同会社などの会社法上の法人だけでなく、社団や他の組織を充てる事もあります。全体のストラクチャー(仕組み)を総合的に勘案して、ベストな組織形態を用いる事になります。

四. 知的財産権ストラクチャードファイナンスの留意点

ストラクチャードファイナンスを行うについて、知的財産権を利用する場合、その他の場合と同様に、質権・譲渡担保などの担保権設定をするか、信託等の切り離し(倒錯隔離)が必須となります。

工業所有権(特許、商標権、意匠権、実用新案権)と種苗の育成者権についての担保設定等については、登録しないかぎり効力が生じません。また、登録が対抗要件としての機能を果たす事になります。

専用実施権についても同様です。通常実施権については、登録は不要ですが、担保設定については登録が効力発生要件となっております。工業所有権(特許、商標権、意匠権、実用新案権)については、専用実施権の範囲について制限も可能です。

効力発生要件等について勘案しながら、ファイナンスとしての活用手法を見極める事が肝要となります。

五. 当事務所の関与

知的財産権を流動化(ストラクチャードファイナンス)するには、金融法務と知的財産に関する法的知識が必要な事はもちろん、アレンジ契約等の戦略法務に関する事項も必要となります。

当事務所は、ストラクチャーの選択から、アレンジに至るまでの過程について構築し、資金調達を実行致します。知的財産権を活用しない資金調達等についても随時対応しております。まずはお問合せください。御希望に沿う形で、仕組みを構築致します。

大手渉外事務所より、価格を抑えた上で、高度なリーガルサービスを御提供致します。御依頼の際の報酬等については、コチラをご覧ください。
報酬ページはコチラ